LOST IN TIME「時計」発売記念TOUR 2006
こんな日に限って明日までのものがあって、開場どころか開演時間も絶望的な状況で、必死で仕事を終わらせて全速力で駅まで走って地元まで帰ってきました。
THE BEACHES
到着したら既に演奏が始まっていて、トイレにも漏れ聞こえてきて楽しげな音楽。フロアに入ったら予想通りお客さんはあまり揺れていない状況で、やりにくいだろうなあと思いながら初めて聞いた曲を味わってみました。
ドラムにベースにキーボードにギターボーカル、ちょっとかたいのかなという部分も感じつつレゲエ調の曲がリズムに乗ってやってきて、演奏も上手で思わずベースの指を観察してしまいました。曲調から途中、渋谷で行われているポメラニアンズのライブに思いを馳せかけましたが現実を見ようということで、基本無表情のドラムの人を眺めてみたり、長髪さらっさらの鍵盤の女の人の指さばきに注意したりしました。
もっとたくさんのお客さんが揺れている状態で聞いたらもっともっと楽しそうだろうなあという印象でした。そして後々海北さんが「謎の先輩新人バンドで今日が初ライブ」と彼らのことを言っていて、先輩？ ということは私が知らないだけでもしかして彼らはそれぞれバンドを持っていたり、別の活動をしていたりするのか？ なんてことを考えつつ、ライブハウスとの関係性を考えてみてJERRY LEE PHANTOMの名前が思い浮かんだのですがいかんせん名前しか知らない状況だったので、結局誰なのかわからないままでした。
気になって他の方のレポを読んでみたら、予感は当たっていたらしく公式サイト*1を見たらまんまTHE BEACHESでした。何だろう、このしてやられた感。一度彼らのライブを見てみたいと思っていたものの、もともとの曲を演奏したのかジャンルを変えた時だけこの名前になっているのかさっぱりわからないので、まずは音源からおさらいしてみたいと思います。ああ、もう、何だか悔しい。
LOST IN TIME
彼らのライブを見るたびに好きな曲が増えていく。
今日の一曲は「蛍」。とまとめようとしたのに次から次へと音がしみこんでくるので、MCからの流れの鮮やかさに感情も寄り添って揺れてしまいました。「ヒカリ」、「冬空と君の手」、そしてアンコールの「手紙」。
海北さんが言っていたことを噛み締め噛み締め、楽器と声にこめられた思いがこれでもかというほどに空間を満たしていました。私たち、というより私という個からそれぞれに発されるものを吸収して音にして、それを返してくれる彼らの演奏は楽しいとか激しいとか哀しいなどという単純な単語ではなかなか表現できません。ぜいたくな曲たちをたくさん聞けて、MCはとても染み入るもので、4月の野音で始まる何かを見たいな、とより思いを強くさせました。
でも一つだけ苦情を言うとしたら、まだ仕事があるのでアルコールを我慢して帰りにお店に寄ってちょっとやっていこうと思っていたのに、書類を広げてみても全然頭が働かなくて、気が散って気が散って結局何も進まないぐらい気持ちが揺らがされてしまったこと、です。本当に何も手がつかなくて、せっかく頭を働かせようとしてもまったく思考できないことにびっくりするほどでした。身体はあまり動かさなくても心の方がかなり運動していたみたいです。
