「12人の優しい日本人」

開演ぎりぎりの時間に到着して、トイレに行けばブザーの音、汗をかきかき座席まで。感想もメモも上手くまとめられそうもないので、ほんの少しだけ記すことにします。

映画版を見たのが結構前だったのでどんな内容なのかおぼろげにしか覚えていませんでした。見終わった後に優しい気分になったことは覚えているのですが、今回の舞台を見終わったとき、生瀬さん役に感情移入しすぎたためか切なくて切なくて、最後の方は涙目になってしまいました。あれだけ笑っていて、キャラクターの立ち方に感心したりそれぞれの動きに注目したりしていたのに、生瀬さんの2号にぐっとひきつけられてしまって、彼が熱弁をふるえばふるうほどに胸がぎゅっと締め付けられてしまい、カーテンコールの時にたまらず鼻をすすってしまいました。すぐそばで人が演じている、まさにライブということで映画とはまた違った伝わり方があったからなのかもしれません。息つく暇もなくあっという間に議論が広がっていました。
結果ではなく過程を丁寧に描いている作品で、感情がしっかりとこめられていて自分なりのメッセージはできるだけ排除してあくまで客観的に作られたお芝居、とまとめてみようとしたのですが私にとってのこの舞台の印象は生瀬さんからの視点に重きを置いてしまったためにあまり意味がありません。ぐらぐらと感情を揺さぶられて、三谷さんちょっとちょっとどうしてくれますか、という戸惑いがここ数時間ずっと続いています。
とりあえず映画版をまた見て、気持ちを落ち着かせたいです。


ロビーに出て贈られた花を見ていて出口に向かうと、ジブリ鈴木敏夫さんの姿があって、それからしばらく経ってレストランフロアのエレベーターに向かうと再び鈴木さんが。同じエレベーターに乗っていると知り合いがいたらしく、さきほど三谷さんに会ってきたことを伝えていました。その時三谷さんがどのような表情をしていたのかが気になります。